毎年6月は、私たちにとって恒例のヨーロッパ買付旅。
今年も例外なく体力的にはハードでしたが、
ドイツとイタリアで過ごした約3週間は、
とても充実した、楽しい時間となりました。

昨年の40日間は、
やりたいことを目一杯詰め込んだ挑戦の旅。
多くの場所を訪れ、多くの人に会い、
良いものを集めるべく頑張った日々でした。
正直少し詰め込みすぎて、
「早く日本に帰りたいなぁ」と思う瞬間もあったほど。

今年はその反省を踏まえ、
どれだけ日程・コスト共にコンパクトに効率よく、
体調を保ちながら、いかに最後まで日程を乗り切れるか
をテーマに挑みました。

とは言え、約半分の滞在日数で
1年分の商材が本当に集まるのか。
自分たちで日程を決めておきながら、
出発前にはそんな不安もありましたが、
終わってみれば、質は昨年以上、
量も去年と同じレベル、そしてバリエーションは豊富。
とても満足のいく内容になったと思います。

買えたものの一部をご紹介すると、
シャツは定番のチロルが充実、
2年振りにフィッシャーマンも入手、
そして新しい試みも何種類かラインナップします。
ハンティングは例年になく豊作、
アウターはファイヤーマンがごそっと。
ワーク系もかなり満足のレベル、
ニットも例年通りとても良いです。
他にもいろいろ紹介したいですが…..
これから一年間の出店をしっかり支えるラインナップが
十分に揃いました。

逆に買えなかったものも敢えてお伝えすると、
断トツでミリタリー。
ミリタリーは需要過多な状況が続いていますが、
ここまで少なかったのは初めての経験。
「ミリタリーは終わりに近づいている」
——あるサプライヤーの一言が妙に残ります。
流通経路が独特なだけに、
見つけた時に買うしかないミリタリー。
去年多めに仕入れていてよかった…
とは言え、来年以降どうなるのか、
不透明さも感じています。

そして今回、特に収穫だったのが新しい出会い。
約10社の古着倉庫を巡りましたが、
意外にも頼りになったのは
初めて訪問したサプライヤーたちでした。
信頼していた長年の取引先とは、
スケール感の変化もあり
少しずつ噛み合わなくなることも。
その一方で、新たに出会った
20〜30代の若い世代は、
ヴィンテージへの理解が深く、
コミュニケーションもスムーズ。
私たちの要望をすばやく理解し、
「こういうのはどう？」と提案してくれたり、
すでに来年に向けて前向きな協力の姿勢を
見せてくれたりと、とても嬉しい気持ちになりました。

もちろん、口約束がそのまま実現するとは限らないのがこの世界。
来年はガッカリさせられるのか、
それとも期待を上回ってくれるのか——。
そんな振り幅も含めて、
この仕事の面白さだと思っています。

まずはこれからの一年。
目の前の仕事に一つひとつ丁寧に向き合いながら、
また来年もこのヨーロッパの地に立てるよう、
日々を積み重ねていきたいと思います。